自己啓発本を読んでも意味がないと思ったことはありませんか?そんなことはありません、意味はちゃんとあります。本で読んだことが自分のものになるには他の経験と時間が必要なのです。
現場監督歴15年以上、責任者になってからは重圧に対処するために数多くの自己啓発本を読んできました。この記事を読めば、自分が納得するまで自己啓発本を読み続けることができます。自分自身も成長することができるでしょう。
現場監督と本
現場監督が読む本っていったいどんな本が多いのでしょうか。
マンガや雑誌は普通に読むけど、現場監督ならではと言ったら建築関係の本のことかな?
まず思いつくのはやはり業界の専門書です。資格勉強をしたり専門性を高めるために読んでいる方もいらっしゃると思います。他にはマンガや雑誌でしょうか。休憩時間にコンビニでおひるごはんと一緒に雑誌を購入されている方を見かけたりします。そんな中、自分自身を成長させるため、状況を打破するために自己啓発本を読まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
現場監督と自己啓発本
そもそも、自己啓発本ってどんな本のことを言うのかな?
自己啓発本とは
自己啓発書(じこけいはつしょ)とは、人間の能力向上や成功のための手段を説く、自己啓発を目的とした書籍。自己啓発本、セルフヘルプ本、自助本とも。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
という本のことです。
私は以前に自己啓発本を読み漁っていました。その理由としては仕事のストレスに耐え切れず、このままではまずい、とにかく自己成長し自分の身を守らねばと思いひたすらに読んでいました。
確かに現場監督はメンタル的にも大変な仕事だよね。僕も疲れたと感じる時が多いな・・・。
私の場合、特に責任者になってからは大変でした。
特に人間関係のストレスで非常に悩んでいたので、主に考え方や人生についての本を多く読んでいました。
多くの本を読んでいると様々なことに気が付きます。
- 良い本だった
- 読みづらくて中々自分の中に入ってこなかった
- 感動して泣いてしまった
- 言っていることは分かるけど自分とは違う人間だ
- すごいんだけど自分には無理だ
- なんとなく落ち込む
- この間読んだ本と同じことを言っている
自分にとって深く刺さり人生を変えるような本に出会うこともあれば、途中で読むのを止めてしまった本もありました。
自己啓発本を読む意味とは
そのように本を読んでいく中で一つ疑問に思うことがありました。
これって意味あるのかな?
このように思ったことがある人は多いのではないでしょうか。例えば読んだ後に新たな気づきがあったとします。しかし、それで何か自分が変わったのでしょうか?忘れてしまったらどうなるのでしょうか?
ちなみに、自己啓発本を読んでも何にも意味がないと書いてある自己啓発本があるくらいです。
自分は自分を啓発したいだけで、別に自己啓発本を読みたい訳ではないんだよね・・・。
読書の意義を見失ってしまいました。読書のモチベーションが途端に急降下。一気に読書のペースが落ちました。
しかし、当たり前ですが読まなくなったからと言って状況が変わるわけではありません。待っているのは今まで通りの日常です。
どうすればいいのかな・・・。
思考の整理学
そんな私の悩みを解決してくれたのは「思考の整理学」という本でした。この本は考えるということはどういうことなのか、色々なケースで教えてくれます。今回の自己啓発本を読んでも意味がないのでは、ということについての答えとしては、読んだ内容が自分のものになるまでには時間がかかるので慌てなくてよい、決して無駄ではない、ということになります。
そう言われても中々本を読む気持ちが上がらないな・・・。
詳しい理由は本の中でも紹介されているビール造りの例えで紹介します。
ビールの造り方
ビールは原材料である麦芽などに酵母を加え発酵させて造られますが、すぐに出来上がるわけではありません。そこから数十日間貯蔵される間に熟成しおいしいビールが出来上がるのです。
ビール造りは時間がかかるんですね。
頭の中もビール造りの行程と同じだと考えられるんです。
例えば自己啓発本で得た気づきが麦芽だとするとそれだけでは足りません。酵母となるそれとは他の体験などを加えて時間をおかなければ、おいしいビール(得られた気づきが自分のものになること)にはならないのです。
私のケース
ここからは実際にあったケースを紹介します。
課題の切り分け
私は以前に「嫌われる勇気」という自己啓発本を読み「課題の切り分け」という考え方を知りました。これは対人関係の考え方で、自分ができることと自分ではどうすることもできないことを明確に分けようという考え方です。
正に自分にとって必要な考え方なのでは!!?
これを知ったときは衝撃的で非常に興奮しました。しかし、だからと言って日常が何か変わったわけではありませんでした。
朝の掃除と責任者の悩み
私の勤める会社では朝の始業前に掃除の時間があるのですが、この時間にはちょっとしたクセがあります。義務ではないのです。業務の中で必ずしなければならないことでは無いのですが、みんなで協力してきれいな職場を作りましょう、という時間なのです。
私は責任者のため会社からそういう雰囲気を率先して作るように指示を受けてます。
頑張って掃除をして、みんなの手本になれるようにしよう。
自分から率先して掃除を行います。しかし、必ずしもみんなが協力して掃除をしてくれる訳ではありません。
実際に朝から忙しいし、急いでいるときも多いんだよね。
もちろんみんな管理している現場や予定があり、それぞれの事情があることは知ってます。しかし、比較的時間があるにもかかわらず明らかに掃除をしてくれない人もいます。義務ではありませんので当然の権利ではあるのですが。
私はモヤモヤ悩みながら掃除をしていました。
なんで掃除をしてくれないのかな。どうしたら掃除をしてくれるんだろう。上司である自分がやっているのに。どうして自分だけこんな思いをしなければならないのだろう。でも義務じゃないしな・・・。
急に出来上がったおいしいビール
そんなある朝掃除をしている時に、
あ!これも「課題の切り分け」だ!
頭の中で急においしいビールができてしまいました。
ビールができたからと言って、実際には飲んでないですよ!
知ってますよ。
どう感じるかはみんな次第であり自分にはコントロール出来ないことだ。自分がやらなければいけないことは、きれいな職場環境を作ることだ。みんなの協力があれば助かるけど、助けるかどうか決めるのはみんなだから、とりあえずみんなのために自分が掃除をしよう。と決めました。そこからは今までよりもしっかりと掃除をするようになりました。
おいしいビールを飲んだその後
そうすることによって起こったことは2つありました。1つは掃除中モヤモヤ悩むことが無くなりました。自分はみんなのために掃除をしていると考えると自己満足できます。ストレスを感じることが減りました。
きっとみんなの役に立っているはず。
2つめは掃除をしてくれる人が増えました。ゆっくりですが1人、また1人と、以前はしてくれなかった人がしてくれる日が増えてきました。どうしてかは分かりませんが、私が掃除をする姿を見て何かを感じ取ってくれたのだと良いように解釈してしまってます。
私のケースをまとめると、「課題の切り分け」という麦芽が朝の掃除中の体験という酵母と混ざり、時間が経つことで読書で得た気づきが自分のものになるというおいしいビールとなったのです。この考え方のコツを掴んでからは自分で出したい時に使えるようになってきました。繰り返しになりますが、読書で得た気づきが自分のものになったのです。
まとめ
自己啓発本を読んでも意味がないと感じた時は、読んだ内容が自分のものになるには時間がかかるものなので気にせずに読み続けましょう。本で得た気づきは、頭の中で他の経験と合わさることによりゆっくりと時間をかけて自分のものになってゆきます。そんな気づきをひとつ、またひとつと自分のものにしてゆけたら今の自分よりも成長できている気がしませんか?