仕事ができるようになるためにどんどん仕事をこなしていきたいけど、ミスをしたくないからなかなかトライできないってことありませんか?そんな時はとにかく2年間だけでいいので、ミスを気にせずがむしゃらに仕事をこなしてゆきましょう。
でもミスしたくないのに気にしないって難しいよ…。
そうですよね。でもちゃんと理由があるんです。
なぜならば、仕事ができるようになるには圧倒的な経験が必要になるからです。現場監督歴15年以上、現在は地方の責任者である私の経験を元にその理由を紹介します。仕事ができるようになれば自信が持てますし、自分自身がどんどん成長できます。また仕事の時間を短くできるのでプライベートも充実させることができます。仕事ができることって素敵なことではないでしょうか。
早く仕事ができるようになれたら嬉しいな。
そうですね!一緒にみてゆきましょう。
仕事でのミス
そもそも、仕事でミスをしたくないと感じる理由とはどういったものがあるのでしょうか。
- 怒れらるから
- 迷惑をかけてしまうから
- 信用を失うから
- 会社への損失が大きいから
など、人間関係にまつわるものや実際に損害がかかってしまうケースがあると思います。
現場監督が起こしてしまうミス
現場監督が起こしてしまうミスとはどのようなものがあるでしょうか。
- 品質管理のミスにより仕上がりチェックに抜けが生じてお客様の信用を失ってしまう
- 現場管理ミスにより現場周辺の道路を汚してしまい近隣様に迷惑をかけ会社のイメージを損なわせてしまう
- 工程管理のミスにより職人さんが作業できなくなってしまう
- 発注ミスにより誤った材料を手配してしまい会社へ損害を与えてしまう
- 社内資料にミスがあり上司に怒られてしまう、
のようなケースがあると思います。
うわ~。考えただけでも嫌になっちゃうな。
やっぱりミスは極力避けたいですよね。
このように現場監督の仕事は会社内はもちろんお客様、地域の近隣様、下請業者様、職人さんなど多くの人と関わりながら工事を進めてゆくので、自分の引き起こしたミスにより多くの方に影響を与えてしまうことになります。また建築業、建設業の中で取り扱う業種によっても異なりますが、建築業の現場監督であれば他分野に比べて比較的大きい金額を取り扱うことが多いです。その分ミスしたときに被る損害額も大きくなるために、ミスを起こしてはならないプレッシャーも当然大きくなります。
ミスは起こしてはならないが
大前提としてですがミスは起こしてはなりません。家はお客様にとって一生に一度の大きな買い物です。建築工事も地域の中で近隣様のご協力のもの成り立っているものです。職人さんにとっても作業ができなければ収入に影響を与えますし、会社に対しても同じです。取り扱う金額の大きさや家という一生モノの財産を扱う責任ある仕事ですので、極力慎重に、ミスを起こさないように仕事を進めるべきです。
やっぱり慎重にやっていくべきだよ…。自分ができる以上の仕事量だとやっぱり怖いな。
もちろん慎重にやるべきです。だけど消極的になるのはどうでしょうか。
しかし、ミスを恐れるあまり消極的になってしまっては良くありません。知識をつけてから自分が調整できるくらいの量の仕事を行うようでは大して仕事を覚えられません。なぜならば、経験の量がまだまだ足らないからです。また、つけなければならない知識の量には限りがないので、ここまで覚えたら大丈夫!といったものはないのです。
確かに覚えることは多いし、常に変わってくこともあるからね。
慎重なことと消極的なことは違います。いくら知識を蓄えても、実務との違いからミスは起きてしまうものなのです。
量が質を生む
現場監督として仕事ができるようになるためにはどんどん量をこなさなれけばなりません。自分を追い込むくらいに。
え~。ミスが増えちゃいそうだよ。
恐らくそうだと思います。でも会社の一員として仕事をしているので、ミスをしても自分一人がその責任を負う事にはならないはずです。
忙しくなればミスも増えてゆきます。しかし、仕事の質を上げるために圧倒的な量をこなす期間を避けては通れないのです。なぜならその質を高めるには量をこなす中で得た経験が必ず必要になるからです。逆に言えば量をこなせば自ずと質はついてくるのです。どうして量をこなす必要があるのか、私の経験を紹介します。
入社して最初の2年
今らから15年以上前、現場監督として住宅会社に入社しました。最初の2年間は私の配属された地域はとにかく暇で暇でしょうがありませんでした。
午前中は現場を回って、午後からレクリエーションにスポーツをする日もありました。今では絶対に絶対に考えられません…。
いいな~。そんな時代もあったんだね。
先輩に同行してましたがその先輩でさえも担当する現場が少なく、私自身は最初の1年間で担当した現場数は2現場でした。2年目からは一人で動くことが多くなり、先輩の手伝いをしつつ自分の現場もこなし、1年間で12棟位を担当しました。先輩も比較的ゆっくり教えてくれたので、教わったことは一度で覚える為にとにかくメモを取りまくりました。
時間があったのでじっくり覚える事ができました。当時の手帳は図なども使いしっかりとまとめてましたね。
入社してからいきなり忙しかったわけじゃないんだね。
しかし、当時の教育体制は今と比べるとまだまだ悪く、業務マニュアルなどもなく、とにかく教えるのも覚えるのも個人個人に任されておりました。それに後でわかったことですが、私が配属された地域は他の地域に比べ物件数が少なく、私の現場経験は同期と比べても少ないものとなっておりました。
私の3~4倍の物件数を担当していた同期もいて、非常に驚きました。
厳しい上司と仕事ができない私
そんな状態で3年目を迎えた私ですが、転勤により上司が変わることとなりました。非常に厳しい上司です。当時の私は仕事というものが全く理解できてませんでした。ただ教えられた手順で進めれば家が建つという感覚で、その目的や理屈、責任などに考えが及ばずまだまだこれからといった状況でした。とにかく目先のことをしっかりと覚えて頑張ることが仕事なのだと理解してました。
ある日のこと、帰社しようとしたところ上司に呼び止められました。
待て待て、やることやってから帰ってちょうだい。あの現場の進捗はどうなってる?ちょっと工程表を見せてくれ。
はい。分かりました。(え、なんかまずいのか…。それより工程表ってなに?何か工程が分かればいいのかな。)
ちなみに工程表とは工事や納期のスケジュールと日程ごとの作業内容をまとめた予定表のことです。工程表を作る目的は作業の予定や進捗を可視化することで、使用することにより工事を予定通りに正確に進めることができます。
私は紙の裏に工事のポイントとなる主だった工事を3つか4つ手書きで書いて提出しました。それを見た上司は私の目の前でその紙をビリビリと破り捨てました。
こんなものは工程表じゃない。誰も教えてないの?
事務所は静まり返ってました。私はもちろん私の先輩も含め叱責されたのです。私は緊張と驚きと申し訳なさで頭の中が真っ白になってしまいました。何が悪かったのか全く理解できませんでした。目の前のことをしっかりと覚えるようにしてきたつもりです。
みんなの前でここまで叱責されたことは初めてで、本当にびっくりしました…。
当時は理解できませんでしたが、今考えるとその上司の指摘は的を得ており正論でした。私の担当する建築現場の進捗スピードがひどく遅かったのです。工程表を使わずに、この工事が終わったらこの業者とこの業者を手配して…などその場その場で感覚的に手配を進めて行くのでミスが多く、また工事の全体的な予定が見えないため、関係者間でも情報共有ができないので、行き違いなどのミスも多く発生してました。
この工事が終わったから、次はこことここに電話して、それから…。あれ、今何してたんだっけ。…あ、また着信だ。
これじゃ自分が何をどこまでしていたのか分からなくなっちゃうね。
このように個人のスキルに依存したとても不安定な工程の管理の仕方となってしまっていたのです。現場監督を2年経験してもその状態であったた私は、上司が求めるレベルに達しておらず叱責されることとなったのです。
量を追い求めた
そのことにより私ははっきりと人より仕事ができていないことが分かりました。そしてこのままではマズいと強く思いました。
このままでは落ちこぼれて会社に居づらくなってしまう…。
それからは必死に働きました。その頃は会社も忙しく現場も多くなっていたので、私も可能な限り多くの現場の担当を自ら志願し受け持ちました。今でこそ無いですが、当時は日をまたいで仕事をする日も度々ありました。その中でたくさんの失敗を重ねました。業務に追われ失敗し、叱責され落ち込み、四苦八苦しながらもとにかくどんどん現場をこなしました。
すごくキツいけど、この現場を乗り切ればきっと自分に自信がつくはず!
多くの現場を担当し、忙しさに追われながらもそう考えながら仕事に取り組んでました。この2年間は1年間で50棟ずつ程度担当しました。
それから2年が経ちました。ある日その上司から声を掛けられました。
おい、これ見てみろ。
はい。(資料を覗いてみました。)…おお!これは!
それは過去1年間で会社が施工した全ての物件の工事日数のランキングだったのですが、何とトップ5の中に私が担当した物件が4つもランクインしていたのです。確かに、工事日数が非常にタイトな物件を多く担当したのですが、そもそもそんなランキングがあること自体知りませんでしたし、まさかこんなことになっているとは予想外でした。上司も頑張りを認めてくれました。
もちろん驚きましたし嬉しかったです。でも、正直なところあまりしっくりきませんでした。
なぜかというと、まだまだ覚えることやミスも多く、自分の中では仕事を覚えるのが遅かった時とやっていること自体は同じだったからです。目の前の仕事をどんどんこなすこと、覚えてそれを忘れないようにすること、ミスをしたら次はしないように工夫すること、これを繰り返してきただけでした。
追い詰められる経験
しかし、思い返してみると、以前にものすごく時間がかかっていたことがあっという間にできるようになってました。以前は多くの人に相談しながら決めるような1時間かかっても出来なかった判断も5分でできるようになっていたり、手配の仕方も一度の作業で多くの人に伝わり、伝達漏れのないような合理的な仕方へと変わっていました。現場を多く担当する中で、失敗や成功など多くの経験を繰り返すことにより、知らず知らずのうちに仕事が早くできるようになっていたのです。
繰り返しになりますが、自分の中で取り組んできたこと自体は最初の2年間と後の2年間で変えておらず、とにかく目の前のことに必死に取り組んでいただけです。となると、初めの2年間と後の2年間での大きな違いといえば担当した物件の量となります。
初めの2年間でゆっくり学べたことがあったから、後の2年間で成長できたんじゃないの?
確かにそれもあると思います。しかし、最初の2年間からもっと忙しく多くの経験が積めた方がもっと成長できたかもしれません。逆に、後の2年間も暇で多くの現場を経験できなかった場合はここまで成長できていたでしょうか。
きっとそれは無かったと思います。なぜならば、追い詰めらることにより自分の殻を破る経験が得られないからです。
でも追い詰められるのは怖いし嫌だな…。
もちろん誰だって嫌ですよね。だけど前向きに自分を追い込むことも出来るんだよ。
追い詰められれば人はその苦境を脱しようと工夫します。要領が良くなり効率的になってゆきます。追い詰められている期間はそれを強烈に学習できる期間なのです。大きく成長するにはその期間を避けては通れないのです。弁護士になるためのロースクールの修習期間も2年、医師国家試験に合格してから臨床実習をする期間も2年、がむしゃらに頑張る期間はだいたい2年間あれば十分です。
期間が決まっていれば、大変でも乗り切れそうかも。
実際に多くのミスをしましたが、周りの人にすごく助けられました。そのおかげで成長できた部分も大きかったです。
仕事が早くなった効果
その後、仕事が早くなったことにより仕事時間に余裕が生まれました。気になったことを時間をかけて調べることができたり、今まで疎かで周囲に迷惑をかけていた業務の改善に注力できたり、お客様や近隣様、下請業者様や職人さん、同僚など多くの人に対し丁寧に接することができるようになりました。
とっても好循環だね。
また仕事そのものの時間も短くすることができたので、プライベートの時間を増やすことができました。自分自身にも自信がついたので、仕事のオンオフがしっかりと分けれるようになってゆきました。仕事が早くなったおかげでプライベートも充実しだしたのです。
まとめ
早く仕事ができるようになるためには、多くの仕事量をこなしがむしゃらに働く期間を作りましょう。なぜなら、圧倒的な経験をもとに仕事の質は高まってゆくからです。仕事ができるようになれば更に成長することも出来ます。自然と自信がつきますし、仕事以外の時間も充実します。前向きな人生を送れるように、ぜひ早く仕事ができるようになりましょう。
せっかく今の会社で働けているわけだし、僕も思い切って頑張ってみようかな!
その意気です!一緒に頑張ってゆきましょう。